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オメガねじ込み式リューズがある腕時計を購入する時、スタッフの方から操作説明を受けると思います。
その時にリューズの操作についても説明されるのですが、操作に慣れてくるとだんだん注意もしなくなり、何気なく操作をしてしまうものです。
カチっと音がするまで巻いて下さいと言われたし・・・限界まで巻いておこう
すぐに止まりそうだし、こまめに巻き上げておこう
このような思いから4日に1回はガシガシリューズを巻き、グリグリねじ込み式のリューズを締めていたところ、案の定ではありますが、リューズが締まらなくなったことがあります。
日付合わせ、時刻合わせ、巻き上げなどの度に操作するリューズは実はとてもデリケートです。私の周りで時計を修理に出したという人に原因を聞くと、1/3くらいの割合でリューズの故障が理由でした。
この記事ではリューズの取り扱いについて簡単に解説し、時計を長持ちさせる使い方について掲載しています。
オメガのねじ込み式リューズは巻いたらダメ?自動巻きの腕時計の注意点
オメガの腕時計のパワーリザーブ(ゼンマイをフルに巻き上げた状態から動き続ける時間)は、48時間から72時間くらいのモデルが多いです。取り扱い説明書もWEBで見ることが可能です。
毎日腕時計をしない場合、外してから数日放っておくと止まっていることもあります。特に10年以上経過しているモデルだと、オーバーホール間隔の末期になってくるとパワーリザーブが24~36時間前後になることもあります。
パワーリザーブが切れて時計が止まるたびにねじ込み式リューズで巻き上げるのは、実は時計の寿命を縮めることになりますので、注意が必要です。
過度に巻き上げを行うと、機械式時計の内部には負担がかかってきます。
特に心臓部であるローターの動きをゼンマイに伝える「切り替え車」という部品への負荷が大きくなり、摩耗・消耗させてしまう可能性がかなり高くなります。
また、巻き上げすぎるとゼンマイへの負荷も大きくなり、巻き上げ効率も悪くなってきます。
機械式の自動巻き時計は、腕に付けて1日過ごせばゼンマイが自動的に巻き上げられる仕組みになっているので、少し巻いて動かしておけば限界まで巻き上げなくても大丈夫なのです。
そのため、リューズの巻き上げは5回~10回くらいまでにしておくのが時計に優しく、動いたらそのまま腕にはめて1日過ごしていれば心配いりません。
しばらくつけない間に止まってしまうのを避けるために、「ワインディングマシン(ワインダー)」を使うという方法もあります。
オメガのねじ込み式リューズは締めすぎ注意
時計の防水性能を発揮するためにはリューズはキツめに締めておかないと
こんな風に思っていませんか。この操作は半分は正しいですが、半分間違いです!
巻き上げた後にリューズを締める時も力任せに締め続けるとネジ山の摩耗やバネの破損など故障につながり、やりすぎるとリューズ自体が取れてしまうこともあります。
ネジ込み式リューズがある時計の防水性能は、内部についているゴム製のパッキンによって保たれています。なので、ねじ込み式リューズを締める強さはそこまで重要ではありません。
ねじ込み式リューズを締める時は、力を入れ過ぎずに押し、根元までゆっくりと丁寧に回しながら締め、止まったらそれ以上は回さないようにしましょう。
もし内部に水や湿気、埃やゴミ、余計な油分が入ると錆びなどを引き起こし、部品の劣化を加速させてしまいます。閉まらなくなったり、取れてしまった場合は、すぐに修理店に持ち込むようにして下さい。
オメガのねじ込み式リューズ時計も「一生もの」にできる
時計の中でもリューズは触れる機会が多く、巻き上げや時刻合わせ等、時計が機能するために必要な操作をする重要な部品です。ですがそれゆえに繊細な部品でもあるので、リューズにまつわるトラブルや故障は使っていくほど起きやすくなります。
使い慣れた時計であっても初めて腕にはめた時のように、丁寧な操作を続けて行くことで故障知らずでいることができます。
オメガの腕時計が愛されるのは「きちんとメンテナンスをすればいつまでも使い続けることができる」からで、それを可能にしている構造、設計に対する信頼も積み重なっています。
アフターケアやメンテナンスのための十分な体制があり、製造メーカーとして万全の正規カスタマーセンターも全国5ヶ所(北海道、東京、名古屋、大阪、福岡)に備えてるので、正規カスタマーセンターが近くにあれば直接時計を持ち込むことも可能です。
もちろん郵送によるピックアップサービスも対応しています。
もし近くに正規カスタマーセンターがない場合は、各地にあるオメガショップやオメガブティックに時計を持ち込んでメンテナンスを依頼することもできます。
正規カスタマーセンターはコンプリートサービスであり、部品を毎回交換することを前提に新品に近づけるのが基本的な考え方なので安心感がある反面、メンテナンスコストが大きくなります。そんな時は、意外と近くにある時計修理店などでも、オメガの腕時計修理を扱っている場合があります。
時計修理店の中には、古いパーツから新しいパーツまでオメガの修理に必要なパーツを豊富に取り置いている店もあるので、たとえ製造メーカーでも修理できないような古いモデルの時計であっても、修理して動くようにできる場合があります。
ただ、店によって得意不得意や仕入れルートも違うので、オーバーホールの料金や部品交換の際のパーツ価格も結構ばらつきがあります。
信頼できる店を見つけるのは簡単ではありませんが、近くの店に持ち込んでみるのもいい選択になることがあるので、問い合わせてみたり、フラッと店に行ったり、口コミを調べてみるのもおすすめです。
オメガのねじ込み式リューズを修理する時の店選び
正規カスタマーサービスや、全国的に修理を請け負っているような店ならある程度情報を調べることはできますが、もし自分で調べる場合、どんなことに注意すればいいのか、ポイントをいくつか紹介します。
修理本数の実績
全国的に有名な規模の大きい大手や老舗店の場合、年間2万本~5万本のメンテナンス実績があります。
時計修理店は、時計が持ち込まれた販売店はもちろん、買取店、正規カスタマーセンターからも修理を受注することがあり、そうした受注本数も実績にカウントしています。
近くの時計店の場合、さすがに年間数万本という規模は難しいですが、店によっては年間数千本の実績を持っているところもあります。
少なくとも月間100本以上修理、メンテナンスしているところであれば大外しはしないでしょう。
オーバーホール以外のメニューの希望を聞いてくれる
オーバーホールは時計を末永く使っていくうえで必要な手順です。その中でゼンマイやパッキンなどの消耗品交換は毎回発生してきます。
ムーブメント総取り換えになる場合もたまにあるようですが、それ以外の部品交換、例えば風防交換、ブレスレットの交換、文字盤の補修、傷の研磨等、主に見た目に関する修理・メンテナンスメニューに関しては、持ち主の多用な要望を反映させる必要があります。
特にアンティークモデルなど、製造当時の部品や工法を保つことに価値がある時計はなおさらです。
時計修理の技術者は、時計自体や技術に関して高い関心と愛着を持っていることが多いので、たまに不愛想だったりぶっきらぼうや物言いの方もいることでしょう。
ですが、持ち主と会話せずにメンテナンスをするような店だと、行き違いやトラブルが起きやすくなります。
持ち込みや郵送の際、また見積もりの確認の時にこちらの要望をきちんと確認して、聞き出そうとしてくれる店、技術者がいることが重要になってきます。
国家資格の「1級時計技能士」がいる
時計の修理・メンテナンスは誰にでもできるものではありません。意外と知られていませんが、時計修理には国家資格があり、難易度が高い順に1~3級の「時計技能士」を保有している必要があります。
信頼のおける店や評判のいい店には必ずといっていいほど1級時計技能士が在籍しています。店を訪れた時に認定証を確認したり、問い合わせる際に「1級時計技能士がいるか」確認しておくといいでしょう。
自分の持っている時計と同じメーカーで修理を担当していた技術者がいるとなおいいです。
ちなみに、時計技能士よりもさらに高度な技術と知識を持つマイスター公認高級時計師「Certified Master Watchmaker(C.M.W.、日本ではJWI日本時計師会が認定)」資格を保有する技術者が在籍する店の場合、アンティークなどの年代物の時計でも修理、メンテナンスをすることができるでしょう。
ただし、その数は非常に少ないので、探すのが大変かもしれません。
純正パーツを使って修理してくれる
部品交換をする場合、正規カスタマーセンターは純正部品を使ってくれる安心感があります。
古いモデルの場合は、保有者の許可のもと純正パーツ以外でも、汎用のジェネリックパーツや、自作した部品を使う場合もあり、動くことを優先して修理が行われる場合もでてきます。
ですが、店によっては修理代金を抑えることを優先するあまり、純正パーツ以外の部品で修理を行うこともあるようです。もしそのような修理が行われた場合、それ以降の修理は正規カスタマーセンターでは受付不可になってしまう可能性もあり、
コピー品や改造品と見なされてしまうことで精神的なダメージも受けてしまうでしょう。
ですので、できる限り純正パーツで修理をしてくれる店を選んだ方がいいと思います。
ただ、ゼンマイなどの消耗品は大抵の店が価格を抑えるために汎用パーツやジェネリックパーツを利用していますので、純正品が選べるか確認しつつ、お財布と相談しながら決めるといいでおきましょう。
オメガねじ込み式リューズの注意点と修理できるかまとめ
オメガのねじ込み式リューズの取り扱い、時計を長持ちさせる使い方について解説しました。
頻繁に動かす部品のため故障することも多く、そのまま使い続けると内部への浸水や異物の混入など時計にダメージを与えてしまいます。
正しく取り扱えば一生使い続けられるように設計されているのがオメガの時計の素晴らしいところですので、故障してしまった場合にはすぐに修理店に相談するようにして下さい。
関連記事では修理店に関する情報も掲載していますのでご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。